ワケあり同士による華麗なる政略結婚


閉店前だった事もあって客は疎らだが、響の声に一斉に視線がカウンターに集まる。

その視線に気づいた響は、咄嗟に営業スマイルを貼り付け頭を下げた。










「お寛ぎの処、大変失礼致しました。お騒がわせてしまったお詫びに一杯、皆様にご馳走させて下さい。」




俺に言わせれば胡散臭いその笑顔も、店内にいた客、特に女性客はうっとりとした表情で響を見ている。

店内の空気が一気に変わる。



昔から人付き合いが得意で夜型の響には、この仕事は天職だと思う。

自分とは真逆な人間だが、だからこそ響といると刺激があって憂鬱な日々がそうじゃなくなった。



結局、大学まで同じで社会人になってもこうして繋がっていると俺のことを俺以上によく分かっている響。

そしてそんな響には紹介しておこうと思えた女は後にも先にも美麗だけだろう。



スヤスヤ眠る美麗は、化粧をしているせいかいつもより大人っぽい雰囲気を漂っている。



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