ワケあり同士による華麗なる政略結婚
「っ誠也さん、、?」
その後ろ姿に不安になって声を掛けると、振り返った彼が困ったように笑った。
『そんな不安そうな顔するな。足腰がもういいなら出掛ける準備をしとけ。俺はリビングで待ってるから終わったら声を掛けろよ?』
「え?でも誠也さんは用事が終わったら、どなたかとお出かけにって。」
『どなたかって、、そんなのお前に決まってるだろ?今日は俺が行きたい所に行く。服装は、、肌が極力見えないのにしろよ。俺は別に構わないが、、お前は気にするだろうから。』
意味深な言葉を残して居なくなった彼。
彼が出掛ける相手って私、、?
あまりの嬉しさに舞い上がって声を上げてしまいそうになるのをグッと堪えた。
彼を待たせてはいけないと、急いで彼の寝室から飛び出して自室に向かった。
クローゼットを開けて、何を着るべきか思い悩んでいると彼の最後の言葉を思い出した。
肌が極力見えない服装って、、外が寒いからという理由?
取り敢えずお気に入りの服を引っ張りだして、着ていた服を脱いだ所で彼の言っていた事をようやく理解した。
首筋から足先に至るまで咲き乱れる赤い痕。
これを隠すにはハイネックのトップスにロングパンツしか無い。
白のハイネックニットに綺麗目なベージュのハイウエストのワイドパンツを合わせて黒のロングコートを羽織った。