ワケあり同士による華麗なる政略結婚
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それから彼は車を走らせ、水族館の前に最近出来た大型複合施設へと連れていってくれた。
広い敷地にズラリと様々な店が建ち並び、まるで1つの街のようだ。
彼は私の手を引いてあちらこちらの店へ入って、私に似合いそうだと服を手に取ると全て彼がカードで支払っていく。
申し訳なく思いながらも私はただただ手を引かれ、彼の隣をついて歩くだけだ。
こんなに人混みの中を長時間歩いた事が無かった為、少し息が上がってしまうとそれに気づいた彼がカフェで休憩を入れてくれた。
『ホットコーヒーをブラックで。お前は?』
「えっと、、!で、ではカフェラテをお願いしますっ!!!」
『それだけでいいのか?ケーキでも食べたらどうだ?』
「いいえ、なんだか胸が一杯で、、。」
「ではコーヒーとカフェラテですね?少々お待ち下さいませ。」
運ばれてきたコーヒーを飲む様もとても絵になる彼は、カフェのお客さんからスタッフさんまでも虜にしてしまう。
モヤモヤした感情が顔を出しそうになって慌てて、笑顔を貼り付けた。
「とっても美味しいカフェラテですねっ!!誠也さんが飲んでるコーヒーもとってもいい香りです。それにこんなに店が沢山あって一日中いても周りきれないくらいですね。始めての場所ばかりでワクワクしますっ!!」