ワケあり同士による華麗なる政略結婚


「ありがとう、、ございます、、。とってもあったかいです。それに、、こんな綺麗な景色、生まれて初めてみました。」

『そうか。良かったな。』






優しさが嬉しくて頬を緩ませながらお礼を言うと、彼も優しい表情を浮かべてくれた。


車は暫く海沿いを走った後、陽が沈んだ頃に目的地である水族館へと到着した。








「そういえば、、水族館って夜も空いてるんですか?もしかしてゆっくり過ぎてもう閉まっちゃってるかもしれませんっ、、!」

『そう焦るな。この水族館は夜まで空いてる水族館だ。、、昼間と比べて人は少ないらしい。ここだとお前も人目を気にせず、ゆっくり見て回れるだろ。』

「もしかして、、私の為に、、?」

『、、さあな。だが、ずっと行って見たかった初めての水族館だろ?嫌な思いをさせたくない。それよりも早く入るぞ。』








私の事を思って、ここを選んで連れてきてくれた彼の優しさに胸がいっぱいになる。


こんなに幸せでいいのだろうかと不安になるくらいだ。








入場券を2枚購入した彼は、水族館に入るなりパンフレットを手に取った。

そしてイベントの時刻を確認すると、私の手を取り歩きだした。






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