ワケあり同士による華麗なる政略結婚



部屋一面の巨大な水槽の前に立ち止まると、まるで自分が海の中にいるような錯覚を起こす。



「わぁ、、、!」







様々な種類の魚が水中を自由に泳いでいて、鱗が光に反射してキラキラと光輝く。


それらをゆっくりと眺めて順路へ進む。

少し薄暗い館内だったが、彼の穏やか表情はかろうじで見ることができた。






1時間ほど掛けてゆっくりと館内を見て回り終わると、館内放送が聞こえてきた。


なんでも今からイルカのナイトショーがあるらしい。







放送を聞き終わり、躊躇しながら彼の方にチラリと視線を向けると呆れたような表情をしている。




『そんな心配そうな顔しなくても、ちゃんと観に行く。今日はこれを観にきたようなもんだからな。』

「いいんですか?!イルカ、実際に見るの初めてなので楽しみですっ!!」

『じゃあ早速向かうぞ。』

「はいっ!!!」





今度は自ら彼の手を引き、ウキウキとしながらショープールへと向かう。





既に席は7割は埋まってきていて、慌てて近くにあった2人掛けの椅子に腰かけた。

ワクワクとしながら待っていると、イルカのナイトショーが始まった。




様々な光と音、それからバックに広がる夜空の星達がイルカのジャンプを更に幻想的に魅せて感動のあまり言葉が出ない。
< 243 / 311 >

この作品をシェア

pagetop