ワケあり同士による華麗なる政略結婚


怒りで興奮しながら席を立とうとするマコちゃんに必死にしがみつく。






「お願いマコちゃんっ、、!そんな事しないで、、、?私ね、彼と離れたくないの、、。お願い。」

「美麗、、、。」








震える声で必死に引き止める私を見て、マコちゃんの目に涙が浮かぶ。






「そこまでしてそんなに一緒に居たいの、、?そんな男の側にいても美麗だけが苦しいだけよ?」

「それでもいい。彼の側に居られるならそれでいいの。同居期間も今月までで、側に居られる時間も残こり僅かだもの。せめてこれまで通り過ごしたい。」

「傷つくのが目に見えてるのに、、?それが分かってるなら早めに離れた方が美麗の為だわ。一生消えない深い傷が残ってからじゃ遅いのよ?」









震える指先に気づいたマコちゃんが、その手をそっと握りしめてくれた。

そんなマコちゃんの手を震える指先でしっかりと握り返した。








「彼と出逢わなければ、きっと今も自分の中に閉じ篭って、、外の景色も恋が何かも知らずにいたと思う。でも彼のお陰で男性恐怖症を克服できて、恋を知って女として生まれた喜びを知ったの。だからこんな出来損ないの私を妻として迎え入れてくれた彼には感謝しかないの。例え側に居られなくなっても、、ずっと彼だけを想い続けるよ。」

< 256 / 311 >

この作品をシェア

pagetop