ワケあり同士による華麗なる政略結婚
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珍しく夜に出かけるとあいつから報告を受けた。
ずっと人を避けてきたあいつにとっては、それは大きな進歩だ。
最近では仕事帰りに買い物をして帰ってきたり、休みの日は出掛けているのは知っていた。
毎晩、食事を作りながら今日は何処に寄ってきたと話す表情はとても嬉しそうで見ているだけで穏やかな気持ちにさせた。
男性恐怖症を克服したあいつは、以前とは比べものにならないほど生き生きしていて更に周囲の視線を惹きつける。
その事に本人は気づいておらず、無自覚で周囲を魅了するあいつには本当に困りモノだ。
だから一人歩きじゃないとしても、女同士だけでの夜の外出は心配になってしまう。
タイミングが悪いことに今日はめずらしく早めに仕事が片付き、薄暗くなってきた外を眺めた。
あいつが出かけていなければ食事に誘うこともできたであろうが、親友の誘いとなれば無下にはできない。
そんな事をボンヤリと考えいると、控えめにノックの音がした。
その音に返事をするとノックをした人物が中へと入ってきた。