ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『、、澤村?どうした?何かトラブルか?』
深刻そうな表情で部屋に入ってきた秘書の澤村。
そのただよらぬ雰囲気に、眉間に皺が寄る。
「あの、、今日奥様は、、?」
『あいつなら友人と食事に出掛けると言っていたが、、それが?』
「大変申し上げにくいのですが、、こちらに戻ってくる途中に男性と仲睦まじく歩いている姿をお見かけいたしまて、、そのままホテルへと入って行かれました。余計な事かとは思いましたが、報告はしておくべきかと思いまして。」
『、、、は?』
自分でも驚く程に低い声が出る。
あいつが男とホテルに、、?
そんなまさか。
ついこの前まで男性恐怖症だったあいつがそんな事するとは到底思えず、澤村をジロリと睨む。
『そんなのただの見間違えだろ。そんな事をするような奴じゃない。話はそれだけか?』
「っでも私この目でハッキリ見たんですっ、、!副社長が奥様を信じたいお気持ちは分かりますが、不倫されているのは事実です!!、、実は奥様とその男性が並んで歩く姿を見かけるのはこれが初めてじゃないんです。私っ、、どうしても我慢ならなくてっ、、、!」
そう言って突然抱きついてきた澤村。