ワケあり同士による華麗なる政略結婚
そして涙を流しながらこちらを見る。
「、、学生の時からずっとお慕いしておりました。貴方を追いかけてここに入社したんです。御曹司である貴方に私なんか相応しくないと思い、身体だけの関係でもいいとこの想いを隠してまいりました、、。でも副社長は奥様と暮らし始めてから全く抱いて下さらなくなった。それがどれだけ苦しかったか分かりますか?」
『お前っ、、何言って、、、。』
「最近の副社長は奥様をとても大切にしてらっしゃっていたのに、あの女は副社長を裏切って想いを踏みにじって、、!そんなのあまりじゃありませんか!?」
いつも冷静な澤村がポロポロと涙を流しながら悲痛に叫ぶ姿を見る限り、嘘をついているようには見えなかった。
本当にあいつがそんな事を、、?
俺はずっと、、裏切られていたのか、、、?
そんな考えが浮かぶと、今までに抱いたことない真っ黒な感情に支配される。
結婚後も散々女を抱いてきた自分の事など棚に上げて、あいつへの怒りでどうにかなりそうになった。
「そんな辛そうな顔、しないでください。もうあの女の事なんて今は忘れて、、私に副社長を慰めさせて下さい、、。」
そう言って首に両手を回し、顔を近づけてきた。