ワケあり同士による華麗なる政略結婚
その瞬間、あいつの顔が頭を横切って咄嗟に顔を背ける。
「っ、、どうしてですか?今も奥様は副社長を裏切って男と抱き合ってるんですよっ!?それなのにどうしてっ、、?!?!副社長だけが義理を通す必要なんてっ、、。」
『黙れ。』
抱き着く澤村を乱暴に引き離し、唸るように呟く。
『それが事実だったとしても、あいつ以外の女を抱く気にもならなければ共に生活することも出来ない。、、悪いが今日かぎりで俺の秘書からは外れてもらう。』
その言葉に泣き崩れる澤村を残し、部屋を後にした。
イライラしながら車を走らせ、マンションへと戻るが当然あいつの姿はない。
リビングに座り電話を掛けるが、繋がらない。
するとメッセージ通知を知らせる電子音がなり、差出人不明のメッセージが届いた。
それを開くと写真だけが貼り付けられていて、それを見た途端、目を見開く。
『っ、、、!』
目に映ったのは、レストランのような場所で座りながら抱き合う男女の姿。
顔はハッキリとは分からないが、見覚えのある女の服装を見て携帯を床へと叩き付けた。