ワケあり同士による華麗なる政略結婚
じゃあ昨日の夜はあれが最後で、あと腐れもないから乱暴にって事、、?
手首に残る赤い痕を見つめながら、彼女の言葉にようやく一連の事を理解した。
最初から2人の邪魔をしていたのは私なんだって。
想いあっていた2人の仲を引き裂いたのも、彼を独り占めしようとしていたのも私。
彼のお陰で恋というものを知って、男性恐怖症も完治できて、自信もくれて、、その上知らなかった世界まで見せてくれた彼。
彼と出会わなければ一生知らずに生きてきた。
だからそんな彼に私がいつまでもわがままを言ってはいけない。
大きく深呼吸しながら気持ちを落ち着かせ、言葉を発した。
「、、準備が出来次第参ります。一体どちらに伺ったら宜しいんでしょうか?」
「3階の奥にあります、資料室までお願いします。」
「え?資料室ですか、、?副社長室ではなくて?」
「はい。そのように副社長が。」
「わかりました。」
「、、では失礼します。」
そう言って淡々と電話を切ろうとする澤村さんに慌てて声を掛ける。
「あのっ、、、!」
「、、まだ何か?」