ワケあり同士による華麗なる政略結婚
そして男と目が合う。
ニヤニヤとした表情が以前のトラウマと重なってひゅっと空気を吸い込む。
声を上げる事も抵抗する事も出来ず、ただ涙を流しながら天井を見つめる事しか出来ない。
目を合わせてしまえば、過呼吸を起こしかねない。
このまま男の気が済むまで耐えれば、誰の迷惑にもならない。
どのみち彼とは離婚する訳だから、私が傷物になろうとも関係ない。
守らなきゃいけないのは彼の立場だけ。
そう必死に言い聞かせて、唇を震わせて噛みしめる。
しかし荒くなる男の指先と息遣いに、とうとう呼吸が乱れ始める。
酸素を吐きたいのに、吐き出せず吸うばかりで徐々に肩で息をし始める。
そんな私を気にも止めずに、急ぐようにベルトに手を掛けてズボンを脱ごうとしている男。
これでもう本当に終わりだ。
でも本当にそれでいいの、、、?
彼の温もりを思い出せなくなっても?
そう思った瞬間、彼の姿が思い浮かんでしまい我慢していた感情が爆発してしまう。