ワケあり同士による華麗なる政略結婚
その言葉を聞いて耳を疑った。
『は、、?見合いの日が初めてじゃないのか?』
「全くお前と言う奴は、、。そんな事も忘れて結婚したのか?人見知りの美麗ちゃんも何故かお前には懐いてたし、お前も可愛がってたじゃないか。それからすぐに美麗ちゃんの病気が分かって直ぐに入退院を繰り返して塞ぎ込んでしまって美麗ちゃんに会えたのはその一度きりだったがな?」
『そう、、だったか。』
確かに見合いの席では、どこか初めてな気がしなかった事を思い出した。
見合いの席で俯いてばかりのあいつにイライラしていた。
そして心の何処かで思っていた。
〝笑った顔がまた見たい〟と。
初めて会った女に何故そんな事を思ったのかその時は分からなかったが、今ようやく分かった気がした。
「そういえばもうすぐ約束の半年になるが、、、まぁ聞くまでもないな。」
『俺は離婚する気も手放す気もサラサラない。が、、アイツはどうか分からない。昨日は酷く傷つけてしまった。もしかしたらもう無理かもしれない。』
「随分と弱気だな。ちゃんと話しあったのか?」
『いや何も。だから今日は早く帰ってあいつに伝えるつもりだ。もう笑いかけてくれなくなるかもしれないと思うと、、恐怖で身を引き裂かれるようだ。まさか自分にこんな感情があるなんて知らなかった。』
項垂れるように額に手を当てると、乾いた笑いが漏れる。