ワケあり同士による華麗なる政略結婚

無心になって床を掃除していると、片付けが終わる頃には火照りもなくなり症状も収まっていた。

これ以上悪化しないようにと、久しぶりに心療カウンセリングを受けに行こうと決意してベットに横になるとドアをノックする音がして慌てて飛び起きた。








『俺だ。なかなか来ないと思ったら、、ここにいるのか?』



ドアの向こうから遠慮気味に声を掛けてきた彼の言葉にリビングに来るようにと言われていたのを思い出して、さーっと血の気が引く。








「はいぃぃっ、、!!すみません!!!ここにおります!」


咄嗟に気持ち悪い声が出てしまい、自分の口を手で押さえた。

すると溜息と共に何かを置く音が聞こえた。








『火傷に効く軟膏、ドアの前に置いとくから後で塗っとけよ?それでも痛むようなら緊急外来に連れて行くから声掛けろ。部屋は1番奥の突き当たりだ。』



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