ワケあり同士による華麗なる政略結婚

自分で大胆な事をしたという自覚はある。



でも引くに引けなくてそのまま彼の服を掴んだまま、ドア越しの彼に声をかける。








「今日も、、突然のお帰りに驚いてしまいましたが決して嫌だったのではなくて、、その、、会えてホッとしました。独りじゃないって分かって嬉しかったです、、。」



漏らした本音のあと長い沈黙が続いてしまい、気まずくなって彼から手を離そうとした時に彼の柔らかい声が耳に響いた。













『、、、そうか。』

「、、はい。」






それがとても優しい声色で、なんだか穏やかな気持ちになる。

暫くそのまま目を閉じ、その優しい空気を感じていると服を掴んでいる手を優しく掴まれた。






『完全に赤みはひかなかったな。、、跡に残るかもしれない。軟膏と包帯はまだしてないのか?左手じゃしにくいだろう。俺がしてやろうか?、、いや、、アンタが嫌じゃなければの話だが。』




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