ワケあり同士による華麗なる政略結婚


昨日からどうも調子が狂う。






その原因も、そしてそれが嫌じゃないことに自分でも気づいている。

スーツのジャケットを羽織っていると、背後に人の気配を感じた。






不思議に思い振り返ると、少し緊張した面持ちでキッチンに立つアイツが目に入った。

ボンヤリし過ぎたかと時計を確認するといつも通りの時間で、通常勤務の人間が起床するには早すぎる時間。







もう一度キッチンに目をやると、今度はバッチリと目が合った。


目をそらすのかと思いきや、そのままこちらを見つめて言葉を発した。









「お、おはようございます。あの、、ご迷惑かもと思ったのですが、、その、、コーヒーを入れましたので良かったら、、お飲みになりませんか、、?」


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