ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『、、邪魔じゃない。アンタの分もあるなら飲んでいけよ。男に慣らす為にも。』
「え、、?」
症状がでるのを覚悟して掴んだが、驚いた表情を浮かべるだけで怯える様子も無ければ発作も起こらない。
それをいいことに、更に畳み掛ける。
『俺もこの生活に早く慣れたい。お互いの為にも必要な事だろ。』
本当の理由はもう少し話をしてみたかったからだが、素直に言えなかった。
俯いて黙り込んだあいつに声を掛けた。
『コーヒーも同じ空間で飲めないなんて異常だろ?仮にも俺らは夫婦だ。今後の仕事にも支障が出る。だから慣らせ。俺の事を知りたいと言ったのは、、アンタだろ。』
有無を言わせない言い方をすれば、ゆっくりと顔を上げた。
てっきり泣きそうな顔をしていると思いきや、少し頬に赤みのある表情を浮かべ柔らかく微笑んだ。