ワケあり同士による華麗なる政略結婚
「御礼、、ですか?」
『アンタが来てから生活がしやすい。お陰でクリーニングもハウスキーパーも必要がなくなった。、、、いつも助かってる。家事が得意なのか?』
「いえっ、、得意とかではないんです。ただ、昔から家に居ることが多くて自分なりに考えたんです。何か出来ることはないかって。そしたらこれくらいしか浮かばなくて、子供の頃からしてきたので出来て当然といいますか、、。」
いやこれは出来て当然なレベルじゃない。
ご令嬢として生まれ家事が出来る女なんていないだろうし、普通の一般家庭で育った女でもここまで出来るやつは滅多にいないだろう。
プロであるハウスキーパーよりもきめ細やかな仕事に驚いたのだから。
最初は点数稼ぎなにかかと思っていたが、不思議そうな表情をこちらに向けてくるところを見るに、そういう訳ではないらしい。
『、、このコーヒーもかなり美味い。どこか有名な豆でも取り寄せたのか?』
「いえ、ネットショッピングで買った普通の豆です。でも挽き立てだと高級な豆じゃなくてもいい香りがしますし、時間を掛けてゆっくりとお湯を注ぐと美味しいコーヒーになりますから。あの、、そんな事よりも、、ご迷惑ではなかったですか、、?」