ワケあり同士による華麗なる政略結婚
女から特別だと言われたことくらい何度かあった。
だがそんな特別なんて言葉、寧ろ鬱陶しいくらいにしか思えていなかった。
女の特別なんて口ばかりで本当は、俺自身に向けられた言葉じゃないと思っていたからだと思う。
御曹司として生まれた人間のあるあるだ。
自分自身、どうせ将来は政略結婚で本気な相手など必要ないという考えを持って過ごしてきた。
当然、寄ってくる女もまた俺自身ではなくその背後にあるモノを見ているか、容姿が整ったこの外見だけを見ているかだった。
そういう女は目をギラつさせ次期社長夫人、もしくは愛人のポジションを狙っている。
だからこちらも都合よく利用してきた。
性欲のはけ口として。