ワケあり同士による華麗なる政略結婚
女は食って捨てるもの。
セックスとう快楽だけ互いに楽しめばいい。
だから相手の心情だとか考えたこともなく、面倒になったら捨てればいい。
それなのに、この女の事になると表情一つ一つに心情が掻き乱されている。
今もその表情に心を揺さぶられる。
不恰好に包帯が巻かれた腕に手を伸ばせば、その綺麗な瞳をこちらに向けてくる。
『、、こうやってお前に触れられるのも俺が特別だからか?』
「少なくとも私はそう思っています。こうやって少しずつ慣らしていけば完全に治るかもしれません。そしたら少しは誠也さんのお役にも立てるかもしれませんから。」
男性恐怖症を治そうと、両手に拳を作って意気込んでいるこいつの頭に手を乗せた。