ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『ならとことん付き合ってやる。ただアンタも、もっとここの住人らしく過ごせよ。いちいち靴を棚に直さなくていい。自室だけじゃなくてリビングも使え。気配がなさ過ぎてこっちとしても一向に同居に慣れない。これが本来の目的でお互い慣らす為だろ、、?アンタは一々気にし過ぎだ。第一に俺は何か文句があれば遠慮なんかせず口に出すタイプだ。だからアンタはもっと気楽に過ごせよ。、、ここはお前の家だろ。』
普段だったらこんなセリフ絶対に口にしないが、こうでも言わないとまた無理しているだの言いだしそうだ。
その言葉を聞くなり、満面の笑みを浮かべ大きく頷いた。
「はいっ、、!」
『時間が押して来たからもう出る。』
背を向け、ドアに手を掛けると後ろからあいつの嬉しそうな声がする。
「いってらっしゃいませ、誠也さん。」
『、、あぁ。』