ワケあり同士による華麗なる政略結婚





部屋を出て車に乗り込み会社に向かった。

誰かにこうして見送られたのは初めてで、正直戸惑ったが思っていたよりも悪くない。






寧ろあいつの声が心地よく耳に響いた。



会社に向かう車の中で気持ちを切り替え、まだ誰もいない受付を通り抜ける。

副社長室へと向かい、自室に着くなり仕事に取り掛かっているとノックが鳴った。









「、、副社長。もうご出勤されておいででしょうか?」




声の主は秘書である澤村だ。



『あぁ、入れ。』

「、、失礼致します。」

『どうした?こんな早い時間からスケジュールの変更か?』






顔を上げずに訊ねたが反応がない。




< 65 / 311 >

この作品をシェア

pagetop