ワケあり同士による華麗なる政略結婚


「はい、、おやすみなさい。」






彼に背を向けてトボトボと自室に戻っていると後ろから彼の声がした。







『、、おやすみ。』



今まで一度も帰ってきたことの無い言葉。

その言葉に耳鳴りかと振り返ると、彼もこちらに上半身を向け優しい顔をしていた。

それを見て聞き間違いなんかじゃないと確信してもう一度、今度は彼に向かってしっかりと言葉を発した。







「っ、、はいっ!おやすみなさい!!!誠也さん、、!」





彼は呆れたように笑って体の向きを戻し、手だけ上げてくれた。

また一歩、彼に少し近づきけたような気がして嬉しかった。







自室に戻って布団に入ると、体がフワフワとして目を閉じると直ぐに瞼が降りてきた。



そのまま穏やかな気持ちで意識が遠のいた。






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