ワケあり同士による華麗なる政略結婚


今朝も彼の鞄を持ち、玄関まで見送りに出た。

靴を履き終わりこちらに向き直った彼に、鞄を渡しなが笑顔で声をかける。







「行ってらっしゃいませ。」

『あぁ、行ってくる。、、今日は取引先との会食がある。帰りは日付を跨ぐと思う。だからお前は先に寝ておけ。』

「そう、、なんですね。、、分かりました。」








今日はもう彼に会えない。

最近、日を跨ぐような遅い帰宅が無く、毎晩顔を合わせていた所為か、寂しさが押し寄せてきてしょんぼりしてしまう。

それに気づいた彼が優しく頭に手を乗せてくれた。







『、、そんなあからさまな顔するな。お前もたまには友達と会ってきたらどうだ?ここに越してきてからお前が何処かに出かけた事ないだろ。家事もたまにはサボって気晴らしにでも行ってこい。外で会うのが怖いならここに呼べばいい。』

「え?!いいんですか、、?」




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