ワケあり同士による華麗なる政略結婚
熱っぽい彼の瞳がこちらに向けられていて、その瞳に囚われて動けない。
そして長身の彼との距離がゆっくりと縮まっていく。
少し前までだと過呼吸を起こしそうな距離なのに、彼の瞳に吸い寄せられるように自らも距離を縮めた。
そして初めて重なる唇。
どの位そうしていたか分からないが、温かい感触が無くなり同時に彼の気配も遠くなってようやく我に返った。
目の前には背を向けた彼。
今、、キス、、してた、、?
経験はなくとも知識くらいはある。
誰もが学生の頃には経験するであろう恋人同士の最初のスキンシップ。
でも恋人は愚か、異性を避けて生きてきた私にとっては未知の経験で彼とのキスに全身が燃え上がるように熱い。