ワケあり同士による華麗なる政略結婚




「一度もっ!?!?」

「う、うん。実際生活の時間もリズムも違うから顔を合わせることがなかったからかもしれないけど。」

「なぁーんだ。家庭内別居ってことねー?」








マコちゃんは納得したように腰を下ろして紅茶に口をつけた。



確かにマコちゃんのいうように、ここに越してきて最初の1週間はそうだった。

でも最近では1日のうち数時間だが一緒にいる時間も増えた。




起こるのは前みたいな発作などではなくて、フワフワとする感覚ときゅっと締め付けられる胸の痛み。

それから彼に触れた後にだけ上がる熱いほどの体温。











今日なんて今朝の彼との出来事を思い出しては、体が熱くなって仕事に支障まで出た。





そして気づけば唇を触っていて、彼の触れた唇の感触が忘れられない。




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