大逆転ラヴァー
「はぁっ…、はぁっ…、違う。嫌だったわけじゃない」
「…」
「あの時も、今も。照れ臭いだけでほんとは嬉しい、の」
「…」
「ごめん。昔から素直になれなくてっ…夏樹のこと、全然嫌じゃないから」
こういうとき愛されキャラの女の子なら、ちゃんと相手の前に回って顔を見て伝えるんだろうな。
だけどどう頑張ったって背中越しに伝えるのが精一杯な私は、きっと一生かかったって愛されキャラにはなれない。
それに、今は色んな感情が溢れ出してしまって柄にもなく涙とか流してるから…
背中を向けてくれててちょうど良かったかも、なんて思っていた時。
「…………ぷっ、」
「ん?」
「はははっ」
「んん?」
突如、茜色の空に木霊した夏樹の笑い声。
クルリとこちらを向いた夏樹は、怒っているわけでも悲しんでいるわけでもなく…何故かすごくいい笑顔だった。