大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

優希さんとの約束の日、なんだか疲れた表情の彼女。

「優希さん、大丈夫ですか?なんだか、疲れてますね?また別の機会にします?」

「あー、大丈夫、大丈夫。気にしないで!今日、楽しみにしてたんだから、ほら、行くよ」

優希さんと入ったお店は、前にも彼女と来たお店だった。

「ここ、臣さんと奏に偶然会った時の店でしたね」

「そうだね…ここのお店の話してたら来たくなっちゃって…」

誰となんて聞きませんけど、臣さんとですよね。

なんだか、いやーな予感がするのは、私だけかな?

「ビール2つに、枝豆、焼き鳥盛り合わせ、シーフードと野菜の温玉のせサラダ、げその唐揚げ、出し巻き玉子…後は、お刺身の盛り合わせ」

「あれ?優希さんお刺身の盛り合わせとか食べる人でしたっけ?」

「あー、うん。最近食べるようになったの」

へー、臣さんの影響ですか!

「とりあえず、飲もう…乾杯」

すぐに運ばれて来たビールを2人でくっーと飲んで喉を潤した。

「美味しい」

「うん、女同士だと楽ね」

「その言い方、ひっかかりますね」

ニカッと笑った私。

「んー、久しぶりに解放されて、息ができる」

「それって、惚気ですか?」
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