大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
「ありがとう…邪魔してごめんね」
「いーえ」
なんだか、健さんの時みたい。
いつも、智奈美と遊んでいたら偶然現れたりしてたのって、智奈美も健さんに人為的に誘導されてたのか⁈
なんだか、納得…
ふーん、そうか!
やっぱり、私が健さんを振り向かせるなんてできなかったんだ。
「なに?奏も座れば⁈」
なんだかご機嫌斜めらしい奏は隣にドサっと座るけど、一言も喋らない。
別にいいけど…
「で、優希は俺に嫌われたくないから、我慢してるの?」
「……わがまま言っても嫌いにならない?」
「ならない…わがままを聞くかは別だけど。言いたいことは、はっきり言え」
臣さんは、優希さんの頭を撫でている目は、楽しそうだ。
かわいい彼女ほど、いじめたくなるタイプですね。さすがドS。
アーァ、目の前でいちゃいちゃしないでよ。
「あのー、私に気兼ねなく、帰っていちゃいちゃしてください」
「ダメよ。菜生の話聞いてないわよ」
「私は、いーですよ。優希さんの聞きたいような話なんてないですって」
「あるわよ…最近のモテモテ事件」
「えっ、なに⁈菜生ちゃん、モテてるの?」
「そう、ここ数日で何人に告白されたんだっけ?」