大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

「へー、そういえば前はかわいいって感じしかしなかったけど、色っぽくなった気がする。男心くすぐるような表情、いいね」

臣さんの隣で、優希さんがムスッとしてる。

絶対、この人わざとだ。
優希さんの嫉妬心煽って楽しんでる。

「そんな事ないですよ。優希さんの方が最近ますます綺麗になって、会社の男性に人気ですもん」

優希さんをいじめる臣さんも、少しはヤキモチ焼いてみたらどうですか⁈

ふん…

目の前に座っている臣さんは、一瞬ムッと顔をしかめた気がした。

「へー…まぁ、俺がいるからますます綺麗になったんだけど」

意味深な発言ありがとうございます。

優希さんの肩を抱き寄せ、彼女の反応を伺っている。

本当に性格悪いわ!

「菜生も、ほら…最近のもてる原因はなに?」

優希さん、いくら恥ずかしいからって今、その話します?

私の中で終わった話だったのに、蒸し返さないでくださいよ。

「なんなんですかね⁈秋メイクに変えたからですかね」

臣さんは、奏を見る。

「ウカウカしてて、横からトンビに油揚げを攫われるってことわざのようにならなきゃいいけど」

「それってなんの例えですか?選り好みしてたら彼氏なんてできないって言いたいんですか⁈」
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