大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
「相変わらずのドSですね」
「ドSじゃないからね…意地悪なだけだから」
えー、前に自分でドSって言ってたのに…
「どっちでもいいですけどね…ほしいなら、羨ましがらずに知らない顔してたらどうです?奏も指輪して出勤してるはずだから、臣さんの目に留まりますよ。あの2人、変なとこでライバル意識あると思うんですよね…きっと、奏以上の指輪をプレゼントしてくれそうな気がしますけどね」
「そうかな…菜生が言うならしばらく言うの我慢してみる」
「はい、頑張って」
その後も「いいな」「Eternal」だよと、大きな声で言うものだから、会社中に知れ渡ってしまった。
まぁ、効果覿面だったらしく、優希さん曰く、告白しようとしていた男性は、玉砕していたと笑っていた。
これで、煩わしい告白を断る時間が減り、気分よくアパートに向かう。
今日も、奏が仕事帰りに寄ると言っていたので、ご飯を何にしようか考えながら、郵便物を確かめる為にアパートのポストを開けた。
なかには、コピー用紙で別れろ、死ね、などなど書いた紙が何枚も入っていた。
なに、これ?
ゾッとしたのは、指輪を買ってもらったからっていい気になるな。だった!
昨日、2人で指輪を買った事を知っている。