大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
「親友の彼氏か…そんな辛い片思いしてたなんて知らなかったわ」
「お話してなかったですもん。でもあいつ、奏って言うんですけど、奏は出会った当初から私の気持ちに気がついて、親友の男を好きになるなんてバカな奴って言われて、自分でもわかってただけに、余計にムカついたんですよね。会うたび、2人きりになるとその事でバカにされて、良い印象なんて持ってないですよ。でも、口は悪い癖に時たま優しくて、仲のいい2人を見て泣きそうになると、2人の見ていない時に『泣けば』って言って黙って側にいてくれたんです。だからなんですかね…誰かに慰めてもらうって言い出す酔っ払いが心配で、他の奴に任せるぐらいならって言って、抱いてくれたんです」
「それで、あんなにたくさんキスマークつける?」
「それは、そのお互いお酒飲んでいてですね…盛り上がったというか…」
「うん?よかったんでしょう」
「まぁ…もう勘弁してください。優希さんが想像するような甘い雰囲気なんて何もないですよ」
「えー、なんで。ほかの奴に任せられないって言われたんでしょう!」
「だから、それは…」
おまたせしました…と言って店員さんが料理を運んできてテーブルの上は料理でいっぱいになる。