【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「色んな人に、話を聞いたわ」
ん?そういえば、さっき、翠蓮って…………。
「最も、初めは大切な友人からの言葉だったのだけど」
呼ばれてたような……。
「……」
視界が暗くなったので、恐る恐る視線をあげる。
すると、視界に映ったのは重鎮の方々。
「…………灯蘭様、ここは後宮ですよ?」
「分かっているわ?だから、順内閣大学士以外は、宦官の格好をさせているのでしょう?」
翠蓮からすれば、宦官の方々は普通の人だが……世間の反応は違う。
男でも女でもない宦官は、人としても認識されない。
貴族からすれば、道具と同義。
子を残せないなんて、恥だと思われているから。
騾馬(ラバ)として、宦官は蔑まれる対象だから。
黎祥や嵐雪さんはそんなことは無いだろうが……この面子はいささか、翠蓮には意外であった。
だって、蔑む対象の服を着るなんて……彼らには屈辱ではないんだろうか。
「……そんな、意外そうな顔をなさいますか。翠蓮殿」
「いつも、雪麗がお世話になっています」
「ご、ごめんなさい……翠蓮……」
「すいません、全てを話してしまいました……」
聞いて驚く。……目を疑う。
「はっ、話したって…………まさか、」
嵐雪さんはコクリ、と、頷く。
「李将軍、栄将軍、麟麗様、鈴華様、嵐雪さん……ってことは、順徳太妃様、高淑太妃様も!?」
「フフッ、招かれてね。さっきぶり、翠蓮」
笑顔で言われるけど……それどころではないです。