【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「そういえば、翠蓮様、以前、心強い味方に協力を顧みると仰っていましたよね?」
「あ、はい」
「その方は、なんと……」
「それが、忙しくて聞けていなくて」
飛龍のことであるが、本当、そんな呼び出す暇がないほどに、忙しい日々。
「そうですね……常に、走り通しで……助かっております。我らが天上の君の民を守って下さり、ありがとうございます」
深く、拝礼される。
それに、栄将軍、李将軍も続くが……そういえば。
「どうして、御二方はこちらへ?」
本来、どちらかは黎祥の護衛をしているはずだが。
「陛下は今、お休み中ですから。勿論、最高警護のもとですよ?」
「……その部屋に、香などはありませんか?」
「一応、気をつけてはまいりました」
「そうですか……」
止んだからといって、犯人がわかった訳では無いのだから、要注意。
ホッ、と、息をついて。
「飛龍」
翠蓮は一言、優しく呟く。
すると、