【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「……良かったの、黎祥」
紙を折りたたんで、皇太后は笑う。
「…………こんな感情、なんて言うのでしょうか」
胸が苦しくて、痛くて。
目頭が、熱い。
―君を狂おしく愛した事実が、溢れ出す。
「兄様……」
心配そうな露珠の頭を撫でて、黎祥は微笑んだ。
「ありがとう、露珠」
「何か、ごめんなさい……辛い、ものだった……?」
不思議そうな妹が、落ち込むから。
「ううん。……素敵な、恋文(おくりもの)だった」
君が言うのなら、仕方がない。
きちんと、食事を取ろう。
酒だけでなく、きちんと食事をして、ずっと健康でいて、この国を少しでも長く守ってられるように……せめて、君が生きている間だけでも。
この空の下で、君が笑って暮らしている間だけは。
「ちょっ、陛下!?」
「―二人とも、やめなさい」
嵐雪の驚愕するの声を聞きながら、流雲兄上と鏡佳姉上の間に止めに入る。