【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「わっ、黎祥?」
「鏡佳姉上で遊ぶの、おやめください。兄上」
「あ、バレたー?だって、面白いんだもん。鏡佳ってば」
「兄様、性格悪すぎ!そんなんじゃ、お嫁さんを貰えないわよ!」
「奇跡的に、子龍に貰われる妹に言われたくないし、何より、結婚する気は無いから」
「はぁ?何甘ったれたことを……っ!結婚は、皇族の義務で……」
「君だって、少し前まで逃げ回ってたじゃないか。黎祥が、君の想い人との結婚をまとめてきてくれなかったら、する気なんてなかっただろう?」
「うっ……」
「大体、領土も持っていない僕が結婚出来るわけないじゃん?」
言葉に詰まった、つまり、負けた鏡佳姉上は子龍に泣きつく。
その様を眺めながら、二年前……三年前の日のことを、ふと、思い出す。
『僕を殺す?―いいよ、殺して』
『殺してくれないのなら、条件があるよ。それは、君が……』
―兄弟の中で、一番、計り知れない流雲兄上。
体が弱いということで認知されているが、それが本当とは限らない。
広まっていることだけが、
事実とは限らない。
「……勇成だけじゃなさそうじゃ」
「……やはり、そうですか」
緑宸殿を見上げて、二人でため息。