【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
それを教えてくれたのは、父に同じく、酷い目に合わされたという人だった。
父が死に追い込んだ一家は朱家をはじめとして、多くあるが……朝廷で権力を誇るために消した家々だけでは飽き足らず、後宮内にも手を出すから、こんなことになるのだ。
あの人が巡り巡って招いた、自らの死。
まず、あの人の毎度の食事には欠かさない薬湯……幻芳珠を少量使った薬湯に、麝阿曼加密列(ジャ-マンカモミ-ル)の頭花を彩りを理由に、浮かべさせた。
この花が、駆風を起こさせると知ったから。
父は派手好きで、先帝の皇太子が派手好きだったという噂を流させるくらい、人に迷惑をかけていた。
媚びへつらいながら、人の懐に入っていたのだ。
古参の者に聞けば、皇太子はたいへん真面目で父親に似ておらず、民を思いやる先々帝を彷彿とさせるような人だったというものが、多数。
そんな話が捻りに捻れて、不名誉な話として定着してしまった。
本当、先帝の皇太子に、伏してお詫びを言いたいほど。
次に、私は幻芳珠と麝阿曼加密列の量を増やし始めて、とうとう、母様の命日に父を殺した。
とある伝手で、外堀に捨ててもらって、数日。
とうとう、発見されたのだ。
腐食が進み、身体に再度、空気が溜まってきたらしく。
最終的には致死量にまで増やした幻芳珠は水に弱く、一部分しか、爛れていなかった。
情報を教えてくれた人を情報量をすごいと思うと同時に、父の死に安堵する人々を眺めていると、変な気分になって。
また、自分が下手人として捕えられたとしても、悔いはないと思った。