その悪魔、制御不能につき
そこは相手が基準になるんじゃないだろうか。少なくとも輝夜ならそう言うだろう。俺はと言うと止める人間(俺の場合は確実に湊)がいなければ哉瑪のことを注意できない、とだけ言っておく。
……だから親としてはどうなのかと世間的には言われるだろうが俺は子どもの相談役には不適切だと自覚しているし輝夜にも言われている。むしろ相談にのるな、そういうことは湊に回せ、らしい。実に適切な判断だと思う。
「まぁ湊さんがいるからね。そう簡単に貰えないとは思ってたけど」
残念、なんて全然思ってなさそうな軽い口調で言う我が子は結構湊に懐いている。そのせいか湊に似ているところもあるんだよな。俺の本能的なところと輝夜の教育と湊の腹黒さが合わさった結果、こうなった。
「おやおや、なんだか不穏な会話をしていますねぇ」
クスクスと小さく笑いながら入ってきた湊はいつも通りに見える、が。思わず目をそらしたくなるぐらいには機嫌は良くなさそうだ。
その後ろからひょこっと顔を出したのはまだあどけなさの残る少女で、その子を見た瞬間無表情ながらに哉瑪の雰囲気が変わったのを感じた。
「うー」
「かなくんっ」
パッと表情を明るくしたのは少女も同じで、なるほど彼女がそうかと気づいた。今まで特に気にもしていなかったので記憶に残らなかった。
改めて見れば色素の薄い髪色と瞳に整った顔立ちなど見た目は湊に似ている。湊も子どもの頃は天使のようだと言われていたがこちらの方が女の子なだけに愛らしさも追加されているだろうか。何より驚くのはあの湊の子どもなのに腹黒さが全くない純粋な瞳をしていることだ。
そういえば輝夜と湊の嫁は仲が良かったし、湊と結婚するときに「あんなに純粋な子が都築さんの毒牙にかかるなんて…」みたいなことを言っていたからそこは嫁似なんだろう。