その悪魔、制御不能につき



嬉しそうに哉瑪の腕の中に飛び込む少女の姿に湊は笑顔を浮かべたまま暗澹たるオーラを出していて珍しい姿に思わず二度見した。すぐ目をそらしたが。



「早かったね」


「うんっ、かなくんに早く会いたかったからお父さんに頼んだの」



ひょい、と膝の上に抱かれながらニコニコとそう言う姿に「そう、」と無表情のまま褒めるように哉瑪が頭を撫でる。



「うーは偉いね。湊さんもありがと」


「私は貴方のために早く来たわけではないのですがねぇ」


「わたしのためでしょう?お父さんありがとう!」



邪気のない娘の笑顔には弱いのか、仕方なさそうに笑い俺の隣に座る湊。なんだかんだで湊も哉瑪のことは気にしているし、似たところもあるので相性は悪くないんだろう。


和やかに会話を始めた子どもたちを目にしてからそういえばと口を開いた。



「3人目だっけか、子ども」


「えぇ、そうなりますね」



一応とばかりに「おめでとう」と伝えるとこちらも「ありがとうございます」といつもの穏やかな笑顔で返された。


湊のところは現在3人目を妊娠中で、いろいろと大変になる前に女子会をしたいとかで輝夜が湊の嫁と出かけた。そして湊が俺の家に来たという。


正直休みの時ぐらいは輝夜といたいが「あんたとはいつも会ってるでしょうが。たまには友人と会わせて。女子だけで」という輝夜の主張(念押し付き)と「私が我慢して凛華さんを尊重しているのですから貴方もそれぐらいの甲斐性を見せなさい」という湊の脅し(絶対零度の瞳付き)に渋々折れた。





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