その悪魔、制御不能につき
正直俺自身子どもは哉瑪だけでいいし輝夜もそう思っているから、前に疑問に思って聞いてみたら「子どもがいたら万が一のときにも私から離れようとは思わないでしょう?凛華さんは優しい人ですからねぇ」と少々の腹黒さが見える艶っぽい笑顔で言っていた。
……俺も相当なものだと自覚はあるが湊の方がある意味で厄介でしつこいと思う。そう言ったら同じようなことを言われるだろうから口にはしないが。
それからは特に何をすることもなく時間が過ぎていき、そろそろ時間だと湊たちが帰る頃には日も落ちかかっていた。
「そろそろ帰りますよ」
「お父さん、もうちょっとだけ…」
「駄目です。家で凛華さんも待っていますし、ずっとここにいるのもこちらの迷惑になってしまいますからね」
「むしろ僕はずっとここにいてくれてもいいけど」
「危ない発言を聞いた後に可愛い娘を置いて行くつもりは毛頭ないですねぇ」
来る前に約束したでしょう?と穏やかな笑みで諭すように言われ、しょんぼりとしながら名残惜しそうに哉瑪の膝から立つ。……来てからずっとその状態だったんだろうか。
代わりに湊に抱き上げられて「いい子ですね、」と言われると嬉しそうに笑っていた。哉瑪の機嫌は降下したが湊と比べればまだこちらの方が可愛い。
ばいばい、と手を振る少女に哉瑪も無表情のまま手を振り返す。そういえば普通の子どもならこういう無表情の年上に対して怖いとか感じそうなものだが…やはりこの子もどこか変わっているのかもしれない。
帰り際、湊が一言二言哉瑪に何かを伝えてから少女と一緒に帰って行く。その心なしか満足そうな表情と対して憮然とした顔に何を言ったのかと首を傾げた。
後日そういえば、と湊に聞いてみると「あぁ、あれですか。ふふ、娘を子に持つ親なら普通のことを言ったまでですよ?さすがに未成年のうちに孕まされると困りますしねぇ」と若干黒さを感じさせる笑顔で言っていた。そして有言実行とばかりに哉瑪が結婚できたのは10年以上先のことだと言っておく。