あの時からずっと、君は俺の好きな人。
デッキで自分の事のように喜ぶ水野くん。その瞬間、繋いだ手を離してしまった。
名残惜しい、と思ったけれど、自分から手を繋ぎに行く勇気など、私にはなかった。
ーー私はこの手を知っている……?
新大阪に着くまでの間、ずっと水野くんが隣で見守っていてくれた。
事故があった静岡ー浜松間に差し掛かった時は緊張したけれど、隣にいる水野くんののほほんとした様子を見たら、取るに足らないことに思えた。
それに私は、新幹線の恐怖に自分を見失ってしまわないか不安がることよりも、水野くんの手に感じた既視感の方が気になって、頭がいっぱいだった。
気のせいとは到底思えないほどの、深い懐かしさだった。
しかしその懐かしさの正体が思い出せないまま、私と水野くんは無事に新大阪に到着した。
名残惜しい、と思ったけれど、自分から手を繋ぎに行く勇気など、私にはなかった。
ーー私はこの手を知っている……?
新大阪に着くまでの間、ずっと水野くんが隣で見守っていてくれた。
事故があった静岡ー浜松間に差し掛かった時は緊張したけれど、隣にいる水野くんののほほんとした様子を見たら、取るに足らないことに思えた。
それに私は、新幹線の恐怖に自分を見失ってしまわないか不安がることよりも、水野くんの手に感じた既視感の方が気になって、頭がいっぱいだった。
気のせいとは到底思えないほどの、深い懐かしさだった。
しかしその懐かしさの正体が思い出せないまま、私と水野くんは無事に新大阪に到着した。