あの時からずっと、君は俺の好きな人。
ーー一体彼は何者なのだろう。なんだか、他のクラスメイトとは違うような……。

どこか浮世離れしているとすら、思えてきた。

夜も更け、ホテルの部屋での入浴後、私はベッドに寝そべりぼんやりとそんなことを考えていた。

ーーすると。


「私はとくに好きな人とかいないよ」


みんなも入浴が済んだらしく、とうとう修学旅行では恒例の行事らしい恋バナが始まった。

美結、三上さん、坂下さんは私と部屋も同室で、3人はベッドの上で寝そべり、これから始まる乙女の打ち明け話に目を輝かせていた。

1人ずつ話していこうということになり、じゃんけんで負けた三上さんが最初になったのだが。

あっけらかんと期待外れのことを言いのけたので、美結が大袈裟に口を尖らせた。


「何それー! 舞ちゃんずっるーい!」

「え、だって本当にいないんだもん。高校生の男子なんて私には子供っぽくて。私の好みはもっと大人なの」

「へー、じゃあ先生とか先輩とか好きになったことは?」
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