あの時からずっと、君は俺の好きな人。
吹奏楽部で真面目そうな坂下さんとは真逆の印象だ。


「うーん、いつからだろう。いつの間にかな?」

「内藤くんのどんなところがいいの?」


気になって私は尋ねると、坂下さんは少し顔を赤らめて、しかし嬉しそうにこう言った。


「あのね、私んち親が公務員で堅物だから、私もその血筋を受け継いじゃってて……。だから授業中に大胆に寝ちゃったり音楽を聴いちゃったりする内藤くんに、最初はこの人何考えてるんだろ、ありえないって思ってたんだけどさ」

「うんうん、それで!?」


目を輝かせて話の続きを促す美結。


「だんだんその様子が自由で、マイペースでいいなって思えてきて……。それに私大会前に怪我したでしょ? その時すごく優しかったの」

「そういえば怪我した直後、内藤くんが坂下さんに肩貸して支えてあげてたよね」


三上さんの言葉に坂下さんが頷く。


「うん……。そういうこともあって、好きになっちゃったみたい」


恥じらいながら言う坂下さんはやけに可愛らしく見えた。この姿を見せれば、内藤くんも坂下さんに惚れてしまうんじゃないだろうか。
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