あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「選ばれたら水泳大会終わるまでサッカー部いけねーじゃん」


口を尖らせながら言う新田くん。ーーしかし。


「大丈夫だよ。浩輝ほどの天才なら少しくらい練習しない方がちょうどいいって」


満面の笑みで、わけの分からない理屈を水野くんが言う。クラス中が笑いに包まれる。


「そうだよー、やんなよ浩輝。泳ぐのもそこそこ早いんだし」

「浩輝くんがかっこよく泳ぐところが見たいです!」


水野くんに便乗して、新田くんの周囲の人がからかうような声を上げる。

それを見て水野くんは満足そうに頷き、新田くんは苦笑をうかべる。


「ねー、天才の浩輝がやればいいって思うでしょ? 吉崎さんも」

「え……!?」


ほとんど傍観者の気分でこの光景をぼんやりと眺めていた私だったが、突然水野くんに話を振られて私はうろたえる。
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