あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「え……あー。そう、思います」


そしてかろうじてたどたどしくそう言うと、新田くんは大袈裟に嘆息をした。


「しょうがねーなー。わかったよ」

「はい、じゃあ1人目は新田浩輝くんに決定でーす!」


わー、と歓声を上げながらクラスのみんなが拍手をする。

しかし、これでやっと1人。あと男子2人、女子3人選出なければならない。ーーはあ。道は長そうだなあ。

と、私が思っていると。


「ただし蒼太(そうた)。お前もやれ」


新田くんがニヤニヤしながら水野くんを名指しした。水野くんが虚をつかれたようだった。


「ーーへ。だって俺係だよ……?」

「別に係が大会に出ちゃいけないって決まってるわけじゃねーよ。つーかさ、蒼太泳ぐのめっちゃ速いじゃん。係だけで終わらせるもったいないわ」

「あー、でもさ。忙しいし、係の仕事。うん」

「蒼太ほどの天才ならなんとかなると思いまーす」

「何の天才だよ何の」


水野くんのツッコミにまたも吹き出すクラスの面々。そして「蒼太も泳ぐの早いからやんなよー」というような声が次々に聞こえてくる。
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