あの時からずっと、君は俺の好きな人。
授業中どころか、休み時間もイヤホンをして机に突っ伏している光景をよく見る。

そんなマイペースなイメージしかなかったので、泳ぐのが早いというのは意外だったが。

少し癖毛の髪はところどころ茶色のメッシュが入っていて、長めの前髪は目にかかっているので、内藤くんの顔立ちについて私ははっきりとはわかっていない。

けど、美結が前に「よく見ると可愛い顔をしている」と言っていた気がする。

また、お昼の時間はたまに新田くんと一緒にいるのを見るので、水野くんともそこそこ仲がいいのかもしれない。

私を含めたクラスのみんなが、内藤くんに視線を合わせた。ーーだが。

彼は例によって机に突っ伏していた。どうやらお休み中のようで、話の流れを全く聞いていないようだった。

すると、水野くんがさっと歩いて内藤くんの傍らに立つ。そして内藤くんの耳に刺さったイヤホンをそっと引き抜いた。


「……ん……」


耳から聞こえてきていたミュージックが突然消えたことによって、内藤くんは目を覚ましたようだった。

覚束無い声を上げ、顔を起こすと天井に向かって大きく伸びをした。

そしてまだ虚ろな瞳を水野くんに向ける。
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