アーティスティックな男の子。
「はい。…うわ、ブラックとか…。レシートいるか?」
『いらなーい。』
ハル君はビニール袋にお菓子類とヲタク類に分けて入れている。
「はい、ありがとうございましたー。」
『おー、ちゃんとバイトしてるぅ。』
「…ここの店員なんで。」
『じゃ、頑張ってねー。』
「…あ、ゆき。今日俺の言ったこと全部、やってろよ。」
『…あ、はい。』
「せめて今日渡したクリームはつけろよ。ちゃんと動画付きでな。」
『ぐ…めんど…。』
「風呂上がりにぱっとやれば問題ねーだろ。じゃ、お前も頑張れよ。」
『…うぃー…。』
まさかコンビニで会うとは…
お肌のこと言われたし…!!
『ただいまあ…。』
「おー、おかえり、ゆき。もう飯出来てんぞ。」
『わっはホントだ。あ、プリン買ってきたよ。』
「マジで!」
『一緒に食べよ。』
「おう。じゃ、食うから早く座れ。」
『はーい。…よいしょ。』
「じゃ、いただきます。」
『いっただきまーす!』
ハンバーグカレーじゃないか!時間無いとか言って豪勢だな!!
「学校はどうだ?」
『んー?楽しいよー。今日も新しい友達出来た。』
「あー、結城悠と桜庭瑞希な。」
『あ、知ってるの?』
「あの二人は飛び抜けて優秀だからな。」
『あ、やっぱりそうなんだ。』
「あと美容ヲタクでも有名。」
『ぽいよね、ウン。』
「…やっぱゆきには簡単過ぎたか?授業。」
『まあね。一年の時はかなり暇だったから、二年になってちょっとは難しくなるかなって期待したけど、そーでもないし。』
「だよなー。」
『まあでも、退屈はしないよ。みんないるし、先生いるし、秋もいるし。授業数少ないし、ゲームも出来るし。』
「そこは自重しような。…あ、そーいや6月頭の発表会。そろそろ始めた方がいいんじゃねーの?」
『そーねー。』
「素行は悪くても、お前誰よりもずば抜けて才能あんだから、頑張れよ。」
『天才・葉山ゆき、明日から作曲頑張ります。』
「おう。」
『…今回は何にしようかなあ。』
「毎回ピアノだけだとつまんねーよな。」
『そーなんだよね。そろそろ刺激を求めたい。』
「今回はクラシックじゃなくて、JPOPにすれば?お前、こっちの方が得意分野じゃん。」
『敢えて苦手なクラシックを作曲した方が力がつくでしょ。』