好きになってはいけないんだ。
「なんで俺なんだよ、なんで俺が病気になんかならなきゃいけないんだよ。
まだ15なんだぞ?親より先に雲の上いかなきゃいかないとか有り得ねえだろ。
親も毎日毎日可哀想な目を俺に向けるじゃねえよ。余計悲しくなるっての。ほんとやめてほしいわ。
友達だってこっちの事情知らないくせに彼女彼女って。俺だって普通に友達と遊んで女の子とデートもしてカラオケも行ってゲーセンも行って美味いもん食べてっていう生活に戻りたいよ。
医者も医者で淡々と事実述べんなよ。こっちは状況の把握だけで時間かかってんのにまるでお前の人生はこう決まっていたんだ、みたいな。ふざけんな。
…っ、悔しい。悔しいよ。」
ひっくひっくっと小さく声を上げて荒ぶる瑛人をただただ見守る。

