冷たい幼なじみが好きなんです


お風呂にはいって、今日ははやく眠りにつこうと思う。


いつまでも起きていたら、今日は特に余計なことを考えてしまいそうだからだ。


頭を洗い体を洗い、いつもより短い時間しか湯船に浸からずにお風呂をあとにした。


パジャマに着替え髪を乾かし、歯磨きも終わらせて自分の部屋へと上がった。


眠くないけど、寝よう。とりあえず電気を消して、布団に潜り込もう。


今日はわたしの誕生日。

誕生日の日くらい、なにも余計なことを考えずに眠りにつきたい…。

とかいって、今日誕生日ということを、優香と竜に祝ってもらうまで忘れていたんだけど。

ふつう、10代のピチピチの女子が、自分の誕生日を忘れることってなかなかないと思う。


お母さんは、「39から40になるときは気にするけど、40から41なんてもう気にもしないわよ~!」なんて言っていたことがある。


わたしが誕生日を忘れていた理由は、自分の誕生日でさえ忘れてしまうほど衝撃的なことが数日前に起こったからだ。


………だめだめ。

考えちゃだめ。

だってわたしはもう決めたんだ。

もう………遥斗に関わらない、と。

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