お嬢様は恋をしません。
駅に着くと、ほっとして莉緒と一緒に電車を降りる。



莉緒と並んで登校して、教室まで送る。




教室を覗くとすでに湊音がいたから、さらっと別れた。




「…あ、おはよ」



「おはよー、昨日はどうだった?」



「…一緒に帰った」



「そんなことはわかってるよ」




すでに登校して、俺の席に座って待ち構えていた時雨に声をかける。




「なんか進展ないの?」



「…あるわけねーだろ」



「えー、もーキスとかしたでしょ?」



「…してねぇよ。…まだ一ヶ月も経ってねぇし」




プイッと横を向いて机に伏せてしまう。



時雨の前の席に座って頭をツンツン突く。




「…がめついと思われたくねーし」




顔を赤くしてポツリと呟いた。




「デレデレじゃん」



「…うっせーよ」




さらに顔を赤くする時雨。



あーもー、これは飽きないわ。




いいおもちゃ見つけた。
< 45 / 139 >

この作品をシェア

pagetop